川崎・しんゆり芸術祭:オペラ《夕鶴》 |
いま「川崎・しんゆり芸術祭2009 ~アルテリッカしんゆり~」が開かれており、ここではオペラ《夕鶴》が上演されている。4/25(土)、4/26(日)と2日間の公演。
ヴェテランと若手をそれぞれ配置したダブル・キャストであるが、若手中心の2日目に行ってきた。(2009.4.26)
最安席ということで3階席の最後部であった。座席配置に余裕がなく、前席の人の頭が視野にかぶってしまうのはやむを得ない。
この《夕鶴》には、初めて実演に接する。もちろんストーリーは日本人なら誰でも知っているもの。舞台はシンプル。演出も奇をてらったところは少しもない。
ときに雪がいっぱいに舞い降りるシーンが印象に残った。
主役のふたりは好ましく感じた。おつうの長島由佳(S)は落ち着いた歌いぶり。
もう少し声量があればとは感じたが、一途な誠実さが伝わってくる。
与ひょうの村上敏明(T)も声質が役所にぴったりと思った。
ホールの容量もあって残響は少なめのようである。オーケストラの音は直接客席までとどく。プログラムによれば、團伊久磨は、ライトモティーフを取り入れるなど作曲に工夫を凝らしているようである。冒頭のわらべ歌のテーマから、これが終曲で回想されるしかけのようだ。
全1幕とのことだが、途中で休憩が入る。原曲の指示どおりということなのか。
やはり休憩後のステージはどこか緊張感が失われる。既に、与ひょうはおつうの正体を知ってしまっているのだから、どうしても余分である。
日本語字幕が設置されていた。
作曲:團 伊久磨、台本:木下 順二
総監督:大賀 寛、演出:鈴木 敬介
つう:長島由佳(S)、与ひょう:村上敏明(T)
運ず:清水良一(Br)、惣ど:中村靖(B)
児童合唱:昭和音楽大学付属音楽・バレエ教室
指揮:松下 京介
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団