俊友会定期演奏会:皇太子殿下がヴィオラで出演 |
東京芸術劇場 大ホール 2009.5.10(日)
皇太子殿下が出演とのことでホール入り口は大変な混雑。
大ホールへ向かうエレベータに乗るのにも長い待ち行列ができている。
会場は満席で聴衆の平均年齢もいつもより高そうである。
皇太子殿下と堤俊作さんとの出会いは、殿下が学習院大学輔仁会音楽部管弦楽団に所属されていたときに、堤さんが指導にこられたときにさかのぼるという。
もう30年前の1979年。殿下は既に数回、俊友会の演奏会に出演されているようだ。
1996年の定期には、チャイコフスキーの交響曲第5番でヴィオラを弾かれた。
本日のプログラムは前半が、ベルリーズの《海賊》序曲
なかなか聞くチャンスの少ない曲である。ヴァイオリンが速いパッセージを繰り返す。
後半はベートーヴェンの交響曲第9番
第1楽章の始まりからテンポが速い。あのトスカニーニよりも速いのでは?
荘厳な儀式の始まり、といった雰囲気はみじんもない。
淡泊とも思えるほど思い入れを振り切った演奏に聞こえる
堤イズムの浸透した、骨格のしっかりした演奏ではなかったか
それにしても、この俊友会。堤俊作の薫陶よろしくを得て
アマオケとしては格段にレベルが高いのではないか。
オケは対抗配置である。記憶にないのだが、これはいつものことだったか?
コントラバスは9本も並んで威力的である。
第2楽章。ティンパニの打ち込みが鋭いがもっと力があってもいい。
しかしテンポ感のせいか、第1楽章との親和性を感じる。
第3楽章は、対抗配置の特徴を生かしているように思える
メロディの受け渡しがよく分かる。この楽章も速い
それにしてもこの楽章のホルンは大変である。
第4楽章。あまり熱くならないで冷静に振り通すのが堤俊作の持ち味か。
それでも、さすがに幕切れのフィナーレは思いっきり飛ばした!
中間に出てきた、弦パートのフーガなんて、あんなに高速では大変だ
失礼ながら、オペラグラスで殿下の演奏ぶりを拝見した。
全力をふるってのヴィオラを弾く様子、なぜか感激してしまった。
【プログラム】
ベルリーズ:序曲《海賊》
ベートーヴェン:交響曲第9番
ソプラノ:野田ヒロ子、メゾソプラノ:向野由美子、テノール:水口聡、バス:東原貞彦
合唱:府中アカデミー合唱団、混声合唱団町田フロイデ、混声合唱隊Neo-TOKYO、巣鴨男声合唱団
指揮:堤俊作、管弦楽:俊友会管弦楽団