磯山雅presentsバッハ《マタイ受難曲》 |
磯山雅presentsバッハの宇宙完結編として、《マタイ受難曲》の公演である。
2009.6.14(日)
このホール、ほとんど駅と隣接しているのであるが、駅周辺の猥雑さとはまったくの別空間の感がある。なかなかスッキリとした雰囲気である。ホールの取りまくエア・ボリュームの大きな吹き抜けが好印象だ。収容人員は525人とのことで、小ホールと言ったらいいかな。
本日のコンサート、自分の数少ないマタイ受難曲のコンサート経験のなかで、感動の1ページとなったことは間違いない。
リフキン~磯山雅コンビのコンセプト――若いマタイ、2つの演奏グループによるメッセージの伝達――が明確に伝わってきた。あのリヒターの厳しい峻厳な演奏(CDでしか聞いたことがありませんが)とは全く違うし、大規模合唱団を率いた荘厳かつダイナミックな演奏でもない。
各声部がそれぞれ1名という、ぎりぎりの声楽陣である。だからこそ、磯山雅さんが、演奏に先立って挨拶で述べたように、まさに親密な家庭的といって良いほどの演奏だった。
もちろんオケだって、2グループではあるものの、それぞれが十数名編成である。
小ホールということもあり、演奏者と聴衆の間に緻密な関係を築いた。
聴衆の緊張感がずっと終わりまで続いたのも、演奏のすばらしさを裏付けるのではないか。
エバンゲリストを兼ねた、テノールのジェイソン・マクストゥーツの歌唱が出色だったのではないでしょうか。ドイツ語の発音もじつに明瞭でしたね。
ジョシュア・リフリンさん。まさに風貌を裏切らない誠実かつ集中力の高い指揮でした。
◆磯山雅さんのブログ → こちら
音楽監督:礒山雅
指揮:ジョシュア・リフキン
【第1グループ】ケンブリッジ・コンツェントゥス
クララ・ロットソーク(ソプラノ)
ウィリヒ・プレーガー(ソプラノ)
セア・ロボ(アルト)
ジェイソン・マクストゥーツ(テノール)
サムナー・トンプソン(バス)
レオン・シェルハーサ(オルガン)
リーダー:マリカ・ホームクウィスト(ヴァイオリン)
【第2グループ】くにたちiBACHコレギウム
小島芙美子(ソプラノ)
坂上賀奈子(アルト)
中嶋克彦(テノール)
小藤洋平(バス)
大塚直哉(オルガン)
リーダー:桐山建志(ヴァイオリン)