チョン・ミョンフン指揮 ヴェルディ歌劇 《椿姫》 |
コンサートスタイル・オペラ:ヴェルディの歌劇《椿姫》
指揮:チョン・ミョンフン
オークションで手に入れた座席は2階のRAエリアで、ちょうどオケの真横になる。
コンサート形式なので歌手の動きは最小限でほとんど静止状態であるから、歌手は背中しか見えない。
今夜はオケの活躍を楽しむしかないなとの覚悟ができた。
もちろん、字幕はP席やRA席からも見えるように配慮されている。
チョンの指揮は予想どおり緊張感の高い演奏。
全然甘さのないリリシズムといった印象である。
東フィルもチョンの指揮下では見違えるよう、といったら東フィルのメンバに失礼か
オケを立体的に鳴らし全曲を統率する。
例によってずっと暗譜で振り通すのだが、このところは指揮棒を持たないのだろうか。
より細かいニュアンスを、歌手やオケ、それに合唱団に伝えるためだろう。
繊細な指の動きに加えて、こぶしを開いたり閉じたり、ボディ・アクションも。
やはり格好いい指揮ぶりだ
歌手では、ジェルモンを歌ったバリトンが自信たっぷりの歌唱。声量もあり圧倒されました。
座席位置からはオケが眼前に展開されるので、いやでも楽員の動きが眼に入る。
コンマスは久しぶり――それほど東フィルに通っているわけではありませんが、の荒井英治さん。第3幕ではせつないヴァイオリン・ソロを聞かせてくれました。
顔色がどこか青白く痩せたよう?で体調が心配である。
第2幕 舞踏会の場面では、「ドン突き棒」とでも言うしかない棒状の楽器が登場した。
打楽器奏者が打ち下ろしていたが、初見参であった。
足の踏みならす音を模写するようである。
指揮:チョン・ミョンフン
管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団
ヴィオレッタ:マリア・ルイジア・ボルシ(S)
アルフレード:ダニール・シュトーダ(T)
ジェルモン:ヴァシリー・ゲレッロ(B)
合唱:新国立劇場合唱団