有田正広 モダン・フルートによるJ.S.バッハ |
「有田正広 モダン・フルートによるJ.S.バッハ」トッパンホール、2010.1.11(月・祝)
フルート:有田正広、チェンバロ:有田千代子
有田正広さんは古楽器で知られているそうだが、本日はモダン・フルートによる演奏。
モダン・フルートは、音域の広さとか音程の安定性が優れているのであろうか。浸透力をより感じたのだが。
プログラムがよく考えられていると思った。シンプルな響きからより色彩豊かなものへと並んでいるようだ。比較的ポピュラーな曲目を前半に配置したのでは。
特にBWV1030などは懐かしいものだ。端然たる演奏だ。
演奏会の後半にはチェンバロ/フルートの独奏も織り込んで変化があった。
当夜のハイライトは、個人的にはやはり最後のフルートと通奏低音のためのソナタ(BWV1034)であった。いかなバッハと言えども、曲に出来不出来はあるもの。
耳をスルスルと通り過ぎてしまうものもあるが、しっかりと心に響くものもある。
このBWV1034には、最初のフルートを聞いた途端にとらえられてしまった。
冒頭の響きは何となくマタイに通じるものがあるといったら……。
静かな第3楽章アンダンテなど、チェンバロとのマッチングが素晴らしい。
チェンバロは直前の独奏曲よりも、隈取りもはっきりと、むしろ音量が上がったように聞こえたのは不思議。
使用楽器をメモっておこう
フルート:Helmuth Hammig,1968 Berlin
チェンバロ:Joel Katzman,2006 Amsterdam,after Johannes Ruckers,1638 Antwerp
ロビーでちょうど、当夜の演奏曲と同じCDを販売していたので手に入れた。
<プログラム>
①フルートと通奏低音のためのソナタ(BWV1033)
②フルートオブリガート・チェンバロのためのソナタ(BWV1030)
③フルートと通奏低音のためのソナタ(BWV1035)
……休憩……
④クロマティック・ファンタジーとフーガ(BWV903)
⑤無伴奏フルーのためのパルティータ(BWV1013)
⑥フルート通奏低音のためのソナタ(BWV1034)