チョン・ミョンフン指揮N響、マーラー:交響曲第3番 |
演目はマーラー:交響曲第3番。2011.2.12(土) NHKホール
この第3交響曲、マーラー最長の交響曲とあって――100分近くかかる、実演にはなかなか接することができない。海外オケには途方もないチケット価格に二の足を踏んで手を出していない、という事情もあるかな。
最近聞いたのは、2005年でやはり指揮はチョン・ミョンフンだった。オケは東京フィルだ。→ こちら
マーラーの交響曲の最終楽章を比べると、この第3交響曲の第6楽章と、第9の第4楽章が、個人的には双璧だと思っている。第9はどんどん沈潜してゆくかのような静かな終曲である。一方、第3は、清冽な響きが、最後には、陽光がさんさんと降りそそぐような壮麗なフィナーレへと昇華される。幸福感で一杯になる。
チョン・ミョンフンの指揮ぶりは、いつものように端然としたもの。
N響に全幅の信頼を置いているのか、テンポも全体的にゆったりしたものである。
全曲を感動的に振り終わった。
第1楽章冒頭から、落ち着いたテンポが目立った。前回の東フィルよりもかなり遅いと感じたのだが。コントラバスは12本だか並んでいた。これはチョン好みなのか。第6楽章なんかその威力を存分に発揮したと感じた。
N響の金管群の実力をまざまざと見せつけられた。ホルンは安心して聞いていられる。それに今回はトロンボーンの活躍も目立ったか。
アルト独唱の藤村実穂子さんもさすがに素晴らしい。合唱も良かった。
それにしても、チョンがフィナーレを振り終わらないうちにブラボーの声があがったのにはびっくり。気持ちはわかるが、指揮者が棒をおいてから拍手するのが、マナーではないか。まだまだブラボー・フライングがあるとは。
<プログラム>
マーラー:交響曲 第3番
指揮:チョン・ミョンフン
アルト:藤村実穂子
女声合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)
児童合唱:東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)
管弦楽:NHK交響楽団