ワーグナー:《さまよえるオランダ人》~新国立劇場 |
今回は何故だろう?あの鮮烈な感動を再び得ることはできなかった。
公演初日のせいもあったのか。
歌手がちょっと印象に残らなかった……。カーテンコールでは大きなブラボーの声も飛んでいたが、イマイチと思ったのは自分だけだろうか
指揮者/オケにしても力まかせの一本調子では。今回の東響にはもう一歩の頑張りを期待していたが残念。
合唱だけが記憶に残った――力強い男声合唱とか、2幕の糸車をまわしながらの女声合唱とか、素敵でした。でも、終幕で合唱に異質な声が混じるのを感じたが、PAが入ったのかな
第2幕のゼンタとオランダ人の熱愛の二重唱を聞くと、《トリスタン》に通じる響きがかすかに聞こえて来たなと思った。個人的趣味ではあるがゼンタは体格的にイメージに合わなかった。
指揮のトマーシュ・ネトピルは、1975年チェコ生まれ。ヨーロッパでのオペラ経験も豊富なようである。ベルリンフィルも指揮したようだ(2010年)。
演出の、シュテークマンは、今年公演の《ローエングリン》も手掛けるとのこと。
ダーラントのディオゲネス・ランデスはブラジル出身。2007年よりバイロイト音楽祭に出演し、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ハンス・フォルツ、『パルジファル』ティトゥレル、『ラインの黄金』『ジークフリート』ファフナー、『さまよえるオランダ人』ダーラントを歌っている。
ジェニファー・ウィルソンはアメリカ生まれ。センタはレパートリーでもあるようだ。
オランダ人のエフゲニー・ニキティンは1973年ロシア生まれ。ゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラ『ニーベルングの指環』ヴォータンで来日した(2005年)。
公演に集中できないと周りが気になる。隣席の女性客、入口で配られた案内チラシを座席の下に無神経に放置して帰っている。チラシに滑った経験がある者として、もちろん私が始末して帰りました。
<出演>
指揮:トマーシュ・ネトピル
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
ダーラント:ディオゲネス・ランデス
ゼンタ:ジェニファー・ウィルソン
オランダ人:エフゲニー・ニキティン
エリック:トミスラフ・ムツェック
マリー:竹本節子
舵手:望月哲也
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団