斎藤美奈子:ちくま文庫『本の本』 |
つい先日、仕入れたのが、丸谷才一先生の書評集、(1)『快楽としての読書[日本編]』と、(2)『快楽としての読書[海外編]』の2冊。言わずと、丸谷才一は書評については第一人者。かつて、扇谷正造が編集長をつとめた「週刊朝日」こそ、日本の書評文化を切り開いたと言っている。
こんなことも言っている。
……書評を載せる第一の理由は、読書案内として役立つことだ。そのためには書評はまず信頼されなければならない。~しっかりした文章、藝のある話術、該博な知識、バランスのとれた論理、才気煥発の冗談などを駆使する書評家に接すれば、読者はその記事を疑うことなどできなくなり、褒めている本をぜひ読みたいと思うにきまっている。
そして、昨日だかに手に入れたのは、斎藤美奈子の『本の本』と題した、800ページを超えるたっぷりした大部の文庫だ。斉藤美奈子が1994年10月から2007年3月まで、新聞・雑誌などに発表した書評/読書エッセイの詰め合わせとのことだ。かねて、斎藤美奈子のファンである。歯切れの言い口調、鋭い切れ味。『文章読本さん江』であの本多勝一を切り捨てたのはすごい。→ こちら
↓ まだ目次をぱらっとめくっただけであるが、食欲を刺激するタイトルが並んでいる。
「お好きなページからお読みください」と著者は言っている。読み進めるのが楽しみ。