《トゥーランドット》 ベリオ版 |
《トゥーランドット》(ベリオ版) の舞台上演は日本初とのことである。
市民参加オペラとはいえ、スケールの大きな舞台で、十分以上に満足できる出来映えであった。ホールは満席ではなかったか。おらが町のオペラ公演といった感じで熱気があった。
ベリオ版は最終幕が静かに終わる。スペクタクルな趣が強いこのオペラで、この幕切れはちょっと物足りない。しかし、ベリオには特別の意図があったのだろう。
カラフ役の福井敬。舞台姿といい、声量といい、ダントツであった。
第3幕のアリア「誰も寝てはならぬ」なんか聞かせてくれた。
トゥーランドット役の片岡啓子。イマイチではなかったのでは。
役柄のイメージとして、もっと高貴さと、孤独な冷たさを期待したのだが。
リュー役の和泉純子、可憐さがアピール。聴き所のアリアで応えてくれた。
合唱も素人くさい、しかし真面目だ。芝居も一生懸命。迫力があった。
舞台はスケール感があり、高さ奥行きもあり三次元的。スペクタクル映画を観るようであった。
第2幕のトゥーランドット姫の衣装。2本の長い白黒ダンダラの角がまるでカミキリムシであった。
オケ(藤沢市民交響楽団) も熱演としか言いようがない。さすがに第3幕は息切れのようであった。プッチーニがこんなにも木琴を活躍させていたとは初めて気がついた。