大野和士指揮:ウィーン交響楽団 サントリー・ホール |
期待の公演である。来日公演は既に5/11(日)の愛知県芸術劇場でスタートしているようだ。プログラムは本日と同一。
オケの配置は、コントラバスが最後部に横一列にずらりと並ぶスタイル。《フィガロの結婚》序曲から始まった。さすがに手慣れた演奏の感がある。オケの音色がピカピカではなく、いぶし銀といった様子。当夜の座席位置からは全体バランスを聞き取ることが難しかったのが残念。
ブラームスのVn協奏曲。ソロは庄司紗矢香。細い体から強い音が出てくる。それもかなりの気迫をこめた演奏である。初めにちょっと前がかりかなと懸念したのは自分の誤解かな。第2楽章には若い女性の感性を感じました。いかにもブラームスらしいオーボエのバックアップが印象的。
アンコールはレーガーとのこと。万全のテクニックでした。
ブラームスの交響曲第4番。冒頭は遅めのペースかなと感じたのですが、大野の指揮ぶりは実にエモーショナル。かなりオケを煽っていたのでは。対照的に第2楽章のなかほどで一端テンポが緩むシーン(第2主題?)は恍惚感にあふれ素敵でした。第3楽章から第4楽章へと強靱に盛り上げる。自分の好みからは、とくに第3楽章は演奏が巨大すぎる印象があった。ブラームス最後の交響曲を超えた世界か。
アンコールはシュトラウスⅡから3曲の大サービス
<プログラム>
モーツァルト: オペラ《フィガロの結婚》序曲
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番
指揮:大野和士 ヴァイオリン:庄司紗矢香
管弦楽:ウィーン交響楽団
<アンコール>
(庄司紗矢香)
マックス・レーガー:プレリュード ト短調
(大野和士/VSO)
J.シュトラウスⅡ:ワルツ《春の声》、トリッチ・トラッチ・ポルカ、《雷鳴と稲妻》