伊達の黒船 サンファンバウティスタ号 |
宮城県石巻市の月浦には、復元された慶長遣欧使節船「サン・ファン・バウティスタ号」が係留されている。3本マストで、全長は55メートル、500トン。
2011年3月の東日本大震災によってマストが折れ船体は壊されたが、このたび修復が終わり11月には再公開されるとのことだ。(2013.10.1朝日新聞の記事)
伊達政宗の命によって、サン・ファン・バウティスタ号は建造された。慶長18(1613)年、支倉常長に率いられ第一の目的地のメキシコに向かった。このときの出帆の2年前にも、慶長大津波が三陸を襲ったそうだ。
サン・ファン・バウティスタ号の資料は、当時の造船禁止令もあってわずかしか残っていない。復元にも大きな苦労があったようだ。スペインの「ガレオン船」をモデルにしている。特徴は、長期航海の安全性に重点が置かれていること。構造的には喫水が深く(4.5メートル)復元力が優れている。ヨーロッパ大航海時代に発達を遂げてきたものだ。
こちらに詳しい → http://www.kana-smart.com/New-SMART-12-07-23/kurohune0427.html
本書は、土木工学の専門家である著者が、技術的な工程・条件を丹念に検証している。サン・ファン・バウティスタ号を「誰が」「何処で」「どんな方法で」建造したのかを推定している。出帆地の石巻月浦が建造地として優位とされてきたが、技術的にあり得ないとし、建造地を大原川・雄勝湾と結論づける