古川展生:コダーイの無伴奏チェロ・ソナタ |
白寿ホール(Hakuju Hall) 2007.7.7(土)
「リクライング・コンサート・シリーズ チェロの日」というもので、
ホールの後ろ半分の座席は、リクライニングできるようになっていて、リラックス気分で聞ける演奏会だ。
・ソッリマ:アローン
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番
・コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ
古川さんはラフなシャツスタイルで登場。
しかし、このリクライニング・シートというやつ、どうもしっくりこない。
最初の2曲、ソッリマとバッハは、何か落ち着かないまま聞き過ぎてしまった。
ソッリマはチェロの達人でもあるとのこと。前衛的な雰囲気が感じられたが。
バッハの第2番は、短調で珍しいとの解説があった。
どうも引き込まれる雰囲気がなかった。どこかチェロの音色も魅力がない。
後半のコダーイは、調弦が必要とのことで奏者が一端楽屋に退いたので、
こちらも、リクライニングをはずして、きっちりと座り直すことにする。
さすがに、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタの演奏は別物であった。
前半ではホールの中にぽつんとチェロが存在するようであった。
このコダーイでは、たった一挺のチェロがホールの熱気をぐんぐんと引き上げ高めた感があった。聴衆を力強く引きつけた。
冒頭から古川さんの気魄もすごい。そのまま客席に伝わってきた。
これは確かに20世紀最高のチェロ曲であろう。
第2楽章あたり、東洋的な旋律も出てきて、いっそう魅力的である。
アンコールは定番の《鳥の歌》
それにしても、座席の埋まり具合が不思議だ。もっと多くの人が来てもいい。