2008年 01月 20日
大野和士 モネ劇場:ストラヴィンスキー《道楽者のなりゆき》 |
NHK BSハイビジョン「ウィークエンドシアター」2008.1.19(土)
大野和士の登場で、ストラヴィンスキーのオペラ《道楽者のなりゆき》
モネ劇場の録画放映 [収録:2007.4.26、27、28 ]
ストラヴィンスキーのオペラとは?ちょっと怖気をふるったのだが、思いもかけず予想を裏切り、楽しいオペラであった。ストラヴィンスキーのサービス精神が溢れている。もちろん演出家の果たした役割も大きいと思うが。
大野和士の指揮も切れ味鋭くぴったりであった。舞台演出とのマッチングも抜群だ。
ハイビジョンの威力もあって、あっという間に見終わった感がある。
番組の冒頭、大野和士が登場し作曲の背景を語った。ストラヴィンスキーがバイロイト詣でに行ったあと、もっと広い聴衆に向けてのわかりやすいオペラを作曲する意図があった、との説明で納得した。
音楽は簡潔な研ぎ澄まされた響きである。幕の冒頭にはオケの様子が写るが、小編成であることがわかる。《兵士の物語》(1918)とか《プルチネルラ》(1920)に通じる音楽である。1951年の作曲とのこと、新古典主義の流れなのか
ストーリーは、悪魔にそそのかされた若者が、いいなずけを裏切って放蕩の限りをつくし、最後は精神病院で命を絶つという話。
演出(ロベール・ルパージュ)はアイデアに溢れている、センスが良い楽しいものであった。舞台をアメリカ西部に移している。幕開きはテキサスの油田か、石油のくみ上げポンプが背景で動く。どこかあのジェームス・ディーンの《ジャイアンツ》の雰囲気を思い出すのは、こちらの年齢のせいらしい。
映画界で成功するとの演出だがきらびやかなものだ。最後の精神病院のセット、どこか不気味であるが、こまかなユーモアも隠されている。
エピローグは、オペラブッファの幕切れをパロッたと思われる。
悪魔(シャドウ)役の歌い手が存在感が抜群でうまい。ほかの歌唱も問題はない。
トルコのババ役の女性歌手は大奮闘である。
【出演】
トム:シャルル・カストロノーヴォ
アン:ラウラ・クレーコム
シャドウ: ウィリアム・シメル
ババ:ダグマール・ペツコヴァ
合唱:モネ劇場合唱団
管弦楽:モネ劇場管弦楽団
指揮:大野 和士
演出:ロベール・ルパージュ
大野和士の登場で、ストラヴィンスキーのオペラ《道楽者のなりゆき》
モネ劇場の録画放映 [収録:2007.4.26、27、28 ]
ストラヴィンスキーのオペラとは?ちょっと怖気をふるったのだが、思いもかけず予想を裏切り、楽しいオペラであった。ストラヴィンスキーのサービス精神が溢れている。もちろん演出家の果たした役割も大きいと思うが。
大野和士の指揮も切れ味鋭くぴったりであった。舞台演出とのマッチングも抜群だ。
ハイビジョンの威力もあって、あっという間に見終わった感がある。
番組の冒頭、大野和士が登場し作曲の背景を語った。ストラヴィンスキーがバイロイト詣でに行ったあと、もっと広い聴衆に向けてのわかりやすいオペラを作曲する意図があった、との説明で納得した。
音楽は簡潔な研ぎ澄まされた響きである。幕の冒頭にはオケの様子が写るが、小編成であることがわかる。《兵士の物語》(1918)とか《プルチネルラ》(1920)に通じる音楽である。1951年の作曲とのこと、新古典主義の流れなのか
ストーリーは、悪魔にそそのかされた若者が、いいなずけを裏切って放蕩の限りをつくし、最後は精神病院で命を絶つという話。
演出(ロベール・ルパージュ)はアイデアに溢れている、センスが良い楽しいものであった。舞台をアメリカ西部に移している。幕開きはテキサスの油田か、石油のくみ上げポンプが背景で動く。どこかあのジェームス・ディーンの《ジャイアンツ》の雰囲気を思い出すのは、こちらの年齢のせいらしい。
映画界で成功するとの演出だがきらびやかなものだ。最後の精神病院のセット、どこか不気味であるが、こまかなユーモアも隠されている。
エピローグは、オペラブッファの幕切れをパロッたと思われる。
悪魔(シャドウ)役の歌い手が存在感が抜群でうまい。ほかの歌唱も問題はない。
トルコのババ役の女性歌手は大奮闘である。
【出演】
トム:シャルル・カストロノーヴォ
アン:ラウラ・クレーコム
シャドウ: ウィリアム・シメル
ババ:ダグマール・ペツコヴァ
合唱:モネ劇場合唱団
管弦楽:モネ劇場管弦楽団
指揮:大野 和士
演出:ロベール・ルパージュ
by kana-smart
| 2008-01-20 09:57
| 指揮者:大野和士
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