青柳いづみこ:ドビュッシー・シリーズ |
浜離宮朝日ホール 2008.7.5(土)
今年(2008)がドビュッシー没後90周年であることから、このシリーズが企画されたらしい。全4回。この第3回は「クラヴサン音楽とドビュッシー」と題されている。ドビュッシーは《12の練習曲》をクープランに捧げようと、一時は思っていたらしい。そんな因縁が本日のプログラミングの由来らしい。
演目はクープランとドビュッシー
クープラン:
・クラヴサン第8組曲から パッサカーユ
・クラヴサン第13組曲
・クラヴサン第11組曲から 「昔の偉大な吟遊詩人たちの年代記」
ドビュッシー:
・12の練習曲
舞台に登場のときから、今回の主役 青柳いづみこの歩く様子がどこかぎごちなかったが、本人の弁では突然のアクシデントで腰痛とのことだ。本当につらそうな様子であった。前半のクープランのプログラムが終わったときには、アシスタントの手を借りてようやく楽屋に引き下がったほど
前半のクープラン。さすがに現代ピアノで弾くと、ちょっと脂っ気がのった感じがする、豊麗な響きだ。第11組曲からの抜粋など、いかにも劇伴風なメリハリの利いた音楽。ときに歌謡風のメロディーが出てきた親しみやすい
さて後半。ある意味スリリングな経験であった。腰痛がひどいようで一曲ごとに長い間合いを置き、気力を奮い起こしてピアノに立ち向かう様子だ
心なしか余韻も短めに聞こえる
第5曲の激しい開始音なんか全身で弾いたのではなかったか
しかしこの《練習曲》はバリエーションに富んでいる
アンコールも4曲ほど。ちょっと申し訳ない思いだ
最後の《月の光》を弾き終わったあとピアニストの目には涙があったのでは
次回は万全の体調で聞きたいものだ