新国立劇場の 《ドン・ジョヴァンニ》 |
外は12月にふさわしいかなりの寒さ。
4階席は館内の熱気が集まってわずかに汗ばむようでもあった。
新演出とのことだが、読み替え版ではなく、オーソドックスなもの。
歌手やオケともに充実した舞台。満足でした。
ツェルリーナ:高橋薫子さんの可憐さはオハコでしょうか
冒頭の場面は、ヴェネチアだろう、ゴンドラのシーンから始まる。
なかなか快調な滑り出し。ずっとヴェネチアで通しても良かったのでは
カタログの歌では、大きな人形が登場する。
幕切れ場面で、この人形が生気を失って放り出されているのだが……
地獄落ちも迫力のあるものでした。
ドン・ジョヴァンニを招き入れる手の様子が、イソギンチャクのように見えたのは、ちょっと
指揮者のコンスタンティン・トリンクス
プログラムの紹介を読むと、カールスルーエのバーデン州立歌劇場で大野和士のアシスタントをつとめていたとのことで、
にわかに親近感がわいてきた。1975年生まれとのことで、まだ33歳の若さ。
指揮の真面目な様子が伝わってくる。
もっと芝居っ気があっても良いと思ったのだが。
最終幕の地獄落ち。音量はすごいのだが、緊張感がやや薄かったのだが
オーケストラは、ヴィブラートを抑えた、古楽器演奏に聞こえましたが。
澄みきって緊張した響きである。東フィルは好演でした。
歌手では、ドン・ジョヴァンニ:ルチオ・ガッロがさすがに力がありました。
それと、ドンナ・アンナ:エレーナ・モシュクが良かった。
ルーマニア生まれとのことでルチア・ポップを思わせるよう。