藤原歌劇団公演:ポンキエッリ作曲《ラ・ジョコンダ》 |
東京文化会館 2009.2.1(日)
全曲を聞くのは初めて、こんな堂々としたグランデオペラだったなんて知らなかった。
「時の踊り」をよく耳にするが、ポピュラー音楽にも編曲されていたはずである。
第3幕に挿入されているバレエ音楽であった。
叙情的な音楽が印象的である。思い切って乱暴に一言でまとめれば、「ヴェネツィアの歌姫ジョコンダの悲恋物語」といったところか。
この日の公演は日本人チーム。皆好演だったと思います。
演出・装置もオーソドックスなもので充実した満足度の高い公演でした。
第2幕の船上のシーンも、舞台を覆う帆が炎上する様子がなかなか印象的。
歌手では、バルナバを歌った牧野正人さんには抜群の声量と演技力で感心しました。
ジョコンダに横恋慕するバルバナ(商売が不明)の歌唱の雰囲気が、
どこかヴェルディの《オテロ》のイアーゴに似ているなと感じたのですが。
台本はアリゴ・ボイートとのことでした。
ジョコンダの下原千恵子さん。スケールの大きさを感じました。どこか音程を引きずるような歌いぶりにちょっと抵抗がありました。
第3幕のバレエ音楽はさすがに見ごたえがありました。
オペラの挿入バレエとしてこれほど充実したものはなかなか経験がありません。
【出 演】
ジョコンダ:下原千恵子、エンツォ:笛田博昭、バルナバ:牧野正人
ラウラ:森山京子、アルヴィーゼ:党主税、チエーカ:二渡加津子
合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
バレエ:スターダンサーズ・バレエ団
指揮:菊池彦典、演出:岩田達宗