アルバン・ベルク:《ヴォツェック》 |
新国立劇場 2009.11.23(月)
このところ、《カプリッチョ》のあと、本日は《ヴォツェック》と、20世紀オペラが続いている。ベルカント・オペラが懐かしくなってきた。
全3幕の構成であるが、休憩なしの通し公演。
この《ヴォツェック》、非常に緊張感に溢れた密度の濃い舞台ではなかったか。
……そうは言いつつ1幕はかなり睡魔と格闘する仕儀となってしまったのだが
全体的に暗い色調のなかでうごめく様子。狭い世界からヴォツェックは逃れることができない。次第に狂気の世界へと追いつめられるよう。
舞台には無機的なコンクリートの部屋が登場。ここがヴォツェックの住処らしい。
そして、舞台には終始、水が一面に張られている。
その水がずーとピチャピチャ言うのも、どこか心理的なひっかりを意図しているようだ
しかし、これほど全面的に水が登場する舞台は見たことがない、
たしかに水を使うのはわかる。終場面でヴォツェックが水中で息を絶えるのだから
ヴォツェック、マリー共に熱演であった。
オケは暴力的と言いたいほどに鋭い響き。ときに4階席まで突き抜けて来る。
合唱とか群衆のアンサンブルが見事であった。
<キャスト>
ヴォツェック:トーマス・ヨハネス・マイヤー
マリー:ウルズラ・ヘッセ・フォン・デン・シュタイネン
大尉:フォルカー・フォーゲル
医者:妻屋秀和
鼓手長:エンドリック・ヴォトリッヒ
アンドレス:高野二郎
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ハルトムート・ヘンヒェン
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク