東京交響楽団:川崎定期演奏会 |
川崎定期演奏会 第27回2010.9.26(日) 14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮のベンジャミン・シュワルツは見るからに若々しい。
力のほとばしるような熱気のある、かつ爽快感のある演奏で好感が持てた。
最初の《ルスランとリュドミラ》は若さにまかせたスピード感のあるもの。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、いつものホ短調ではなく、ニ短調のもの。
13歳の作曲とのこと。古典的なたたずまいだ。時に甘美なメロディーが聞こえるが、やはり習作的なにおいが強い。
しかし、ヴァイオリン:ナイユアン・フーのテクニックはすごいのではないか。アンコールはパガニーニとバッハの2曲であったが、いずれも達者な演奏と感じた。
メインの《マンフレッド》。指揮者はチャイコフスキーのようなメロディー・ラインが得意のようである。東響独特の弦合奏の美点が発揮される。その一面、管楽器などが加わったときに構築力といったようなものが物足りない感がある。
第3楽章冒頭のオーボエのソロ(女性奏者)は、当夜一番の聞きものであったと思うだが、どうか。
第4楽章など、オルガンを加えて豪壮な響きが満ちあふれる。
シュワルツの指揮ぶりも的確である。LA席からはよく見える。
静かに終わるのはマンフレッドの死を表すのか。
【曲目】
・グリンカ:歌劇《ルスランとリュドミラ》序曲
・メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
・チャイコフスキー:交響曲《マンフレッド》~バイロンの劇的詩による4つの音画の交響曲~
指揮:ベンジャミン・シュワルツ
ヴァイオリン:ナイユアン・フー
東京交響楽団
展示作品リスト