徳永二男ヴァイオリン・リサイタル |
「徳永二男の挑戦」 10年間・10回リサイタルシリーズ/第3回
紀尾井ホール 2010.10.29(金)
室内楽にぴったりのホールで親密感にあふれたコンサート。
モーツァルトのVnソナタから、超絶技巧の無伴奏曲まで、バリエーション豊かな曲目を楽しんだ。1Fのバルコニー席。
前半は、モーツァルトのVnソナタ変ロ長調(K.378)からスタート。
さすがに徳永さんは折り目正しい演奏と感じた。もっと愉楽的な音楽を期待していたが。席の位置によるのだろうか、ピアノが響き豊かに聞こえ、Vnをしのぐ。
次のベートーヴェンは、いかにもベートーヴェン的な力強い開始。
前曲モーツァルトとは対照的に、Vnとピアノが一体となる。
イザイの無伴奏Vnソナタは超絶技巧曲
後半はシューマン生誕200周年とのことで、Vnソナタを2曲。
第1番の方が好みにあう。重々しい、いかにもシューマン的な――秘められた情熱とでも言うのか。明解簡潔な3楽章構成で、中間楽章の抒情的な雰囲気も良い。
第2番は、曲自身が重々しすぎないか。終始ブツブツと低音でつぶやくようである。
アンコールは、シューマンのロマンス、タイスの瞑想曲。
タイスは徳永さんが甘美なメロディをたっぷりサービス。
Vn:徳永二男、ピアノ:伊藤恵
モーツァルト:Vnソナタ変ロ長調 K.378
ベートーヴェン:Vnソナタ第1番
イザイ:無伴奏Vnソナタ第3番
シューマン:Vnソナタ第1番
シューマン:Vnソナタ第2番