都響定期 ジョリヴェ:ピアノ協奏曲 |
東京文化会館 2011.1.24(月)
何よりこの演奏会に触手が動いたのは、ジョリヴェのピアノ協奏曲だ。かつてこの曲をアナログ・レコード*で愛聴していた――真っ赤な太陽をアレンジしたジャケットが印象的だったが、赤道コンチェルトの異名があったはず。ちょうどCDへの移行期でもあり、不用意にこのレコードは手放してしまい、その後CDの再発売もなく、残念ながらずっと耳にする機会がなかった。
*Pf:アントルモン、ジョリヴェ指揮パリ音楽院管弦楽団 (CBSソニー)
ジョリベのピアノ協奏曲は、積年のつかえが取れた感があった。
冒頭からアフリカ風のリズムが荒れ狂う。ピアノもオケと一体となって打楽器の活躍が楽しい。第2楽章ではほんのわずかピアノに抒情的なフレーズもあって小粋。
第3楽章ではカデンツァと思われるピアノが活躍し、協奏曲であることを印象づける。
第1楽章に立ち戻るような、大げさな多彩な響きで締めくくる。
この曲、タワー・レコードあたりに是非再発売して欲しいもの
もう一つのジョリヴェ。室内管弦楽らしい歯切れの良さがもっと欲しかったのだが。
ハープとの対照を目論んでいるのか。
西村朗さんの2曲。ダイナミックレンジの大きなものでした。サクソフォンはいろいろテクニックを披露しているのは分かりました。私には聞き通すのに忍耐を要したのは事実。
指揮:ヨナタン・シュトックハンマー
サクソフォン:須川展也
ハープ:吉野直子
ピアノ:永野英樹
演奏:東京都交響楽団
<プログラム>
西村朗:サクソフォン協奏曲「魂の内なる存在」
ジョリヴェ:ハープと室内管弦楽のための協奏曲
西村朗:幻影とマントラ
ジョリヴェ:ピアノ協奏曲