「それどころじゃないっぺさ」 |
こんな時に不信任案なんて何を考えているのか?
ところで
先夜のヤナーチェックのヴァイオリン・ソナタの余韻がまだ残っている。
たしかCDを持っていたはずと、CD棚を探して見つけ出した。
クレーメルとアルゲリッチが組んだもの。
しかし、CDをかけた途端に、ガックリきてしまった。
音が1枚も2枚もヴェールがかかっているようである。
どこか付帯音がまとわりつく感じがある。
録音は1988年。かつては、かなりの好録音と、感心して聞いていたものである。
クレーメルとアルゲリッチの気合いのこもった熱演であることは間違いない。
それがこんな体たらくとは。
お前のステレオ/オーディオ装置がボロなんだよ、と言われたら身も蓋もないのだが。
"原音再生"なんていう言葉をよく聞いたが、はるかな遠い目標であることがわかる。
東京文化会館の小ホールの最前列で聞いた演奏の印象があまりに強烈すぎた。
眼前で展開された、鋭いヴァイオリンの響き、柔さをともなったピアノの輝き、
両者のバランスのとれた二重奏。いまも耳にこびりついている。
CD録音は、しょせん生演奏のミニモデル――イリュージョンを醸し出すことしかできないのだろう。
すこし時間をおいて頭を冷やして聞き直してみよう。