NHK-FM 「名曲リサイタル」 |
2012.1.20(木) NHK509スタジオ
今日は、近藤嘉宏さん(ピアノ)と山本真由美さん(ソプラノ)の出演。
いつものように2組の対照的なプログラムと、内容の充実したものであった。
それにしても、今回は前後半を通して、ピアノの響きに充実したものを感じたのは不思議だ。音が瑞々しく重量感をもって聞こえた。いつものスタインウェイだと思うのだが、どこかコンディションに変化があったのか。それとも単なる聞き間違いだったのかな?
前半のピアノの近藤嘉宏さん。最初のショパンにしても骨太の男性的なダイナミックな響きであった。
リストの超絶技巧練習曲は描写的。最後のラフマニノフ《楽興の時》は、ピアノをいかにもラフマニノフらしく、豪快に鳴らしきった。
後半のソプラノの山本真由美さん。ピアノ伴奏は浅野奈生子さん。
スカルラッティの可憐な歌曲《すみれ》から始まり、技巧をこらした華麗なロッシーニのアリアで終わるという、一連の流れを構成したプログラム。
《フィガロの結婚》の伯爵夫人のアリアは、ちょっと雰囲気が違うなと感じたのですが。グラナードスの《スペインの粋な小うた》からはドラマティックな歌唱がさえてきました。喉の調子も一段と発声がなめらかに声量も十分でした。
トマの《ハムレット》は初めて知りました。洒落た曲ですが大きな表現力が要求されますね。十分劇的な内容が伝わってきました。
――昨年11月 愛知県芸術劇場コンサートホールで公演があったようだ。
<プログラム>
―前半―
ショパン:スケルツォ第2番
リスト:超絶技巧練習曲から第12曲《雪かき》
ラフマニノフ:《楽興の時》から、第1、4、6曲
―後半―
スカルラティ:《すみれ》
モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》から「楽しい思い出はどこへ」
グラナードス:《スペインの粋な小うた集》から
悲しみにくれるマハⅠ、Ⅱ、Ⅲ
トマ:歌劇《ハムレット》からオフェーリアのアリア
ロッシーニ:歌劇《セミラーミデ》から「麗しい光が」