小山実稚恵グランド・コンサート・シリーズ 第1回 |
2013.5.18(土) 横浜市栄区民文化センター リリスホール
このリリスホールの開館15周年を記念して、小山実稚恵グランドコンサートシリーズが全3回にわたって開催される。本日はその初回。
小山実稚恵さんは、今年1月に大野和士が読響を振ったコンサートで、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾きましたね。豪快な弾きっぷりに圧倒されました。 → こちら
リリスは収容人員300人ほどの小規模ホール。ピアノが目の前に置かれ、演奏者と間近に接し親密な雰囲気をかもす。満席でした。
プログラム構成は、前半がリスト中心。休憩をはさんで後半はショパンというもの。
冒頭のリストの《ため息》は初めて聞きました。シンプルですが実に良い曲です。とてもリストとは思えない。小山さんの透明感あふれるピアノ・タッチが際だちました。続いておなじみ《愛の夢》。《巡礼の年》はピアノチックで透明感がある ――村上春樹の最新作で話題になっているとか?《献呈》はあたたかい。《イゾルデの愛の死》にはしびれます。オペラとは違った趣き。
シンプルな導入曲から始まって、ワーグナーに至り、最後は華麗な《ラ・カンパネラ》で締めくくるという流線型のプログラムだったのでは。
後半のショパン。《子犬のワルツ》から、つづいてワルツ、ポロネーズといずれも手慣れたプログラムと感じました。ピアノ協奏曲のソロ版というのは珍しいですね。しっとりとした味わいです。アンコールも3曲のサービス。
雰囲気の良いホールでコンサートを楽しみました。ピアノはスタインウェイでしたね。さすがに高音にかかる煌めきは独特で特長があります。中低音でしょうか、わずかに分離のわるさを感じたのですがホールの特性とのミスマッチなのでしょうか。
次回のコンサートが楽しみです。
<プログラム>
リスト:3つの演奏会用練習曲から第3曲《ため息》
:《愛の夢》第3番
:《巡礼の年》第3年より第1曲「エステ荘の噴水」
シューマン:《献呈》(リスト編曲)
ワーグナー:《イゾルデの愛の死》(リスト編曲)
リスト:《ラ・カンパネラ》
ショパン:ワルツ第6番《子犬のワルツ》、第7番、第8番
:ピアノ協奏曲第2番から第2楽章(ピアノソロ版)
:《アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ》
:ポロネーズ第6番《英雄》