古典四重奏団:音楽が見える!in 新百合ヶ丘 |
昭和音楽大学ユリホール 2014.5.10(土)
この「音楽が見える!」シリーズは、ヴォランティア(弦楽四重奏曲を楽しむ会)によって運営されているらしい。本日は、《ベートーヴェンという旋風~作品18の煌めき》その1と題したもので、第17回公演とのことだ。地道だが継続的な活動に頭が下がる。本日も興味深いレクチャーと充実した演奏に満足しました。
作品18とは、弦楽四重奏曲として最初に作曲した6曲のグループを指す。レクチャーは古典四重奏団の田崎瑞博(チェロ)さんが担当。ベートーヴェンの最初期の作品――"皇帝ヨゼフ2世の死を悼むカンタータ"、ピアノ・トリオなどを四重奏の演奏で紹介された。20歳そこそこだろうか。古典様式の習作の感はあるが、独自のエネルギッシュな感情表現をもくろんでいるのがわかる。
作品18の弦楽四重奏曲は、作曲時はもう30歳前後だろうか。さすがに表現力は進化している。まぎれもなく後年のベートーヴェンの姿をはっきり認識できる。実演で提示されるとよく分かります。
古典四重奏団は、昨年暮れの「ベートーヴェン弦楽四重奏曲 中・後期9曲演奏会」でお目にかかっている。《ラズモフスキー第3番》に引き込まれた覚えがある。⇒こちら
最初期の弦楽四重奏曲とは言いながら、きっちりした演奏に感銘しました。第1番はどこか、ベートーヴェンの作曲に手探り感があるような気もしました。第2楽章の静けさが印象的です。第2番は、ちょっとベートーヴェンも羽を伸ばしたのでしょうか。第4楽章は活発にフィナーレへと突入。第1Vnの川原さんのリードぶりにも感心。
やはり、この後、作品18-3以降の演奏会を期待したですね。
<プログラム>
モーツァルト:ディベルティメント ニ長調(K136)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 作品18-1
弦楽四重奏曲 第2番 作品18-2「挨拶」
古典四重奏団:川原千真、花崎淳生、三輪真樹、田崎瑞博
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