2016年 10月 13日
ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》 |
新国立劇場 2016.10.12(木)
マチネー公演。5時間超(含休憩)の長丁場で終演は19:30だった。
このところワーグナー作品で観客の女性比率が高いように感じるのだが、
特別な理由があるのかな、それとも単なる勘違い。本日も両隣は女性であったが。
東京では停電があったよう。ここ新国立ではまったく影響はなかった。
かつて横浜で、ゲッツ・フリードリヒ演出の《神々の黄昏》を観た――いわゆる「トンネル・リング」だ。「リング」舞台の初体験でもあり新鮮な感動を味わったものだ。
今回は、オーソドックスな舞台でしたね。ちょっとカビくさい感もあったのですが。終幕まで引きつけられました。
プログラムには、フィンランド国立歌劇場の協力による、とあった。
ジークムントのステファン・グールドが抜群に良かった! 声量といい、演技といい、満点でした。カーテンコールには不在だったのは残念。
飯野泰次郎の指揮もスケールを感じさせました。幕切れの「ウォータンの別れ」では、大いに盛り上げてくれました。細かいミスはあったかもしれませんが、オケ(東フィル)には満足です。
ブリュンヒルデはイマイチだったのでは。特に、あのテコンドーの防具のような衣装はどうか。テオリンの体格とも相まって印象が良くない。
そういえば、グールドとテオリンは、大野和士が新国立で《トリスタン》を振ったとき(2010年)、それぞれトリスタン、イゾルデをやっていたんだ。
第1幕の聞きどころ「冬の嵐は過ぎ去り」はどうか。花びらの散る様子がどうにも陳腐でかび臭い。もう少しロマンティックにやって欲しいところだ。
第2幕。フリッカとヴォータンの夫婦喧嘩が延々と続く。長いのもワーグナーの特徴と心得て我慢して聞く。フリッカのツィトコーワは、なぜか場違いの感があった。オペラグラスでのぞくと、どうも美人過ぎるのではないかな
第3幕の冒頭。おなじみの「ワルキューレの騎行」だが、演出がどこかエロティック? なぜこの場面がこうなるのか。
やはり終幕は感激的、オケが思いっきりのフォルテだった。
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ジークムント:ステファン・グールド
フンディング:アルベルト・ペーゼンドルファー
ヴォータン:グリア・グリムスレイ
ジークリンデ:ジョゼフィーネ・ウェーバー
ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン
フリッカ:エレナ・ツィトコーワ
ワルキューレ:佐藤路子、増田のり子、増田弥生、小野美咲
日比野幸、松浦麗、金子美香、田村由貴絵
マチネー公演。5時間超(含休憩)の長丁場で終演は19:30だった。
このところワーグナー作品で観客の女性比率が高いように感じるのだが、
特別な理由があるのかな、それとも単なる勘違い。本日も両隣は女性であったが。
東京では停電があったよう。ここ新国立ではまったく影響はなかった。
かつて横浜で、ゲッツ・フリードリヒ演出の《神々の黄昏》を観た――いわゆる「トンネル・リング」だ。「リング」舞台の初体験でもあり新鮮な感動を味わったものだ。
今回は、オーソドックスな舞台でしたね。ちょっとカビくさい感もあったのですが。終幕まで引きつけられました。
プログラムには、フィンランド国立歌劇場の協力による、とあった。
ジークムントのステファン・グールドが抜群に良かった! 声量といい、演技といい、満点でした。カーテンコールには不在だったのは残念。
飯野泰次郎の指揮もスケールを感じさせました。幕切れの「ウォータンの別れ」では、大いに盛り上げてくれました。細かいミスはあったかもしれませんが、オケ(東フィル)には満足です。
ブリュンヒルデはイマイチだったのでは。特に、あのテコンドーの防具のような衣装はどうか。テオリンの体格とも相まって印象が良くない。
そういえば、グールドとテオリンは、大野和士が新国立で《トリスタン》を振ったとき(2010年)、それぞれトリスタン、イゾルデをやっていたんだ。
第1幕の聞きどころ「冬の嵐は過ぎ去り」はどうか。花びらの散る様子がどうにも陳腐でかび臭い。もう少しロマンティックにやって欲しいところだ。
第2幕。フリッカとヴォータンの夫婦喧嘩が延々と続く。長いのもワーグナーの特徴と心得て我慢して聞く。フリッカのツィトコーワは、なぜか場違いの感があった。オペラグラスでのぞくと、どうも美人過ぎるのではないかな
第3幕の冒頭。おなじみの「ワルキューレの騎行」だが、演出がどこかエロティック? なぜこの場面がこうなるのか。
やはり終幕は感激的、オケが思いっきりのフォルテだった。
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ジークムント:ステファン・グールド
フンディング:アルベルト・ペーゼンドルファー
ヴォータン:グリア・グリムスレイ
ジークリンデ:ジョゼフィーネ・ウェーバー
ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン
フリッカ:エレナ・ツィトコーワ
ワルキューレ:佐藤路子、増田のり子、増田弥生、小野美咲
日比野幸、松浦麗、金子美香、田村由貴絵
by kana-smart
| 2016-10-13 22:33
| オペラ/コンサート/CD
|
Comments(1)
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by
desire_san at 2016-10-14 15:10
こんにちは、
私もワーグナー『ワルキューレ』を鑑賞してきましたので、興味深く深く拝読させていただきました。ブリュンヒルデはイマイチとお感じになったようですが、オペラ歌手は姿かたちをあまり気にせずに見ていましたので、歌の表現力、声量、声の美しさに全く不満を感じました。ステファン・グールドは期待通り歌に気品と風格があり素晴らしかったですね。私個人的には、主要キャストの歌手陣は世界でも最高水準といいえるほど素晴らしく、日本ではワーグナー指揮の第一人者と言える飯守泰次郎さん指揮・東京フィルの演奏も含めて感動的な舞台だったと感じました。
私も『ワルキューレ』の舞台を解消した感想と魅力、ワーグナーや芸術監督・飯守さんの意図等について考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
私もワーグナー『ワルキューレ』を鑑賞してきましたので、興味深く深く拝読させていただきました。ブリュンヒルデはイマイチとお感じになったようですが、オペラ歌手は姿かたちをあまり気にせずに見ていましたので、歌の表現力、声量、声の美しさに全く不満を感じました。ステファン・グールドは期待通り歌に気品と風格があり素晴らしかったですね。私個人的には、主要キャストの歌手陣は世界でも最高水準といいえるほど素晴らしく、日本ではワーグナー指揮の第一人者と言える飯守泰次郎さん指揮・東京フィルの演奏も含めて感動的な舞台だったと感じました。
私も『ワルキューレ』の舞台を解消した感想と魅力、ワーグナーや芸術監督・飯守さんの意図等について考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
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