新国立 《フィデリオ》 |
2018.5.20(日) 新国立劇場
開場20周年記念特別公演のようだ。この《フィデリオ》を観たのはいつかなと、ブログをくくってみると、前回は2006.11.30だった。⇒ https://kkana.exblog.jp/4651311/
舞台中央に大きなコンクリートの円筒が、牢獄を象徴するようにドカンとそびえていたことを覚えている。朝日のなかに囚人の合唱が響き渡った。感動的だった。
今回の公演は、演出がカタリーナ・ワーグナーとのこと。あのワーグナーのひ孫だ。新制作とのことだが、どうなのだろう。個人的には、まっったく期待外れとしか言いようがない。ベートーヴェンの「ヒューマニズム」が伝わってこない。こちらの理解力不足なのだろうか……
舞台には3層構造の牢獄が構築されている。このままずっと、地下~階上と移動して、劇が進行する。地下の牢獄にはフロレスタンが捕らわれている。「囚人の合唱」にしても、囚人たちが顔を見せることはない。地下の暗闇のなかで歌われる。ちっとも感動しない。
幕切れも納得がいかない。意図がよくわからないのだ。フロレスタンとレオノーレは殺されたようだが、復活したのかな。囚人それぞれが家族等と再会して喜びあうのだが。
フロレスタンを歌うのはおなじみのステファン・グールド。ひとり飛び抜けて存在感をしめす。圧倒的な声量でまさに英雄ジークフリートだ。前回(2006年)もグールドが歌ったのですね。
<スタッフ&キャスト>
音楽監督:飯守泰次郎
演出:カタリーナ・ワーグナー
大臣 ドン・フェルナンド:黒田博
監獄所長 ドン・ピツァロ:ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ(フィデリオ):リカルダ・メルベート
看守 ロッコ:妻屋秀和
ロッコの娘 マルツェリーネ:石橋栄実
門番 ジャキーノ:鈴木准
合唱:新国立劇場合唱団、合唱指揮:三澤洋史
管弦楽:東京交響楽団、指揮:飯守泰次郎