クリーブランド管弦楽団演奏会 べートーヴェン:第4、7番 |
サントリーホール 2018.6.3(日)
クリーブランド管弦楽団は創立100年とのこと。かつて、ジョージ・セルが率いて来日しましたね。1970年代のこと。実演に接したはずだが、ブーレーズの指揮だったかも。
本日は、"プロメテウス・プロジェクト"と称する、ベートーヴェン交響曲全曲演奏会の2日目。マチネー公演だった。交響曲の組み合わせは、4番とならば普通は5番《運命》あたりと思うのだが、相手は7番だった。「ギリシャの乙女」と「舞踏の聖化」の対立。なかなかプログラミングを考えているようだ。
指揮のフランツ・ウェルザー=メストには初見参である。ネット情報によれば、1960年のオーストリア生まれとのこと。58歳で大野和士とは同年齢のようだ。顔に表情がまったく表れないのが不思議。一見冷徹に感じるのだが。指揮ぶりは俊敏、適確。今回の座席は、舞台真ん前で、ヴィオラ・セクションが目の前に。指揮の様子が直に伝わってくる。
はじめの《エグモント》序曲にはパワー溢れる音響にちょっとびっくり。
つづく、交響曲第4番。優雅な曲調からスタート。テンポはやや速め。高速でスッキリ感を醸すのか。あのジョージ・セル時代の厳密極まりないアンサンブル――もちろんCDでしか聞いた覚えがないのだが――を望むのは無理なのか。第2楽章はお気に入りなのだが。曲全体として、あっさり駈けぬけたという感がぬぐえない。
交響曲第7番。まさにクリーブランドの面目躍如といったところか。パワーに不足はない。ヴィオラ・セクションのオケの中での奮闘ぶりがよくわかりました。舞台後方が視野に入らないのはしょうがない。
<プログラム>
序曲《エグモント》
交響曲第4番
交響曲第7番
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
管弦楽:クリーブランド管弦楽団