オーディオのガイドブック |
読みたい本を買う、というスタンスではなくて、安い本を買うということが目的なのだから。
今回は、寺島流最強システム構築ガイド、と名付けられたオーディオ関係。
このオーディオ・ブックの著者・寺島靖国さんは、東京吉祥寺でジャズ喫茶「メグ」を開いているそうだ。雑誌などで拝見すると、現在のシステムは、真紅のホーンがまぶしい、確かアバンギャルドとか言うものである。ドイツ製品であったか。
まえがきにある著者の言葉に、そうだそうだとうなずきました。
こう言っているんです。
……オーディオとは過程が愉しいジャンルのホビーなのです。結果を求めるものではありません。楽しみの第一は、「四苦八苦性」にありと。第二に、買い物。第三は、買い換えだという。
目的のために手段があるのが普通。これが逆転して、手段が、そのまま目的になってしまったのが「趣味」である、と喝破したのは、確か今は亡き長岡鉄男だったと思うが。
同じような考えですね。
寺島さんは「ケーブル魔」とも言われている。
ケーブル――スピーカーケーブルとか電源ケーブルなど――をめぐる話題が楽しい。
たかだか数メートルで何十万円というのもあるらしい。
ケーブルで音作りを楽しむことこそオーディオの最大の楽しみ、と言い切っている。
◆『JAZZオーディオ 悶絶桃源郷』 寺島靖国著、河出書房新社、2001/8月刊