都響定期:インバルの振った 《アルプス交響曲》 |
第634回 定期演奏会Aシリーズ
指揮・エリアフ・インバル
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番(ピアノ:エリソ・ヴィルサラーゼ)
R.シュトラウス:アルプス交響曲
お目当てはR.シュトラウスのアルプス交響曲。
「超」大オーケストラの醍醐味を十二分に満喫させてくれた演奏会であった。
インバルの指揮は、実に的確なもの、オーケストラから壮大な響きを引き出した。都響も全力をつくした演奏ぶりだ。
シュトラウス独特の緻密かつ豊麗な響きがホールの隅々まで充満し、金管の咆哮が重なる。
壮大な8本ホルンが特に印象的であった。
それに、冒頭の日の出から終末の夜の風景まで、自然描写の自在さは言うまでもない。
冒頭部で聞かれたバンダ*の鳴りっぷりも効果的であった。
インバルの指揮ぶりからは、バンダは1Fの客席にいたのか?
5F席の隅からはしかとした様子は見れなかったが。
*その後インターネットを検索してわかったのだが
このバンダは2F/L4列に16人(ホルンほか)ほどいたそうだ。
道理で見えなかったはずだ、ちょうど真下ではないか
舞台全面を埋め尽くしてにオーケストラが展開する。
なかでも多彩な打楽器群に目を引かれた。
プログラムを見ると、タムタム、カウベルはまだしも、風音器、雷音器などまで並んでいる。風音器とは、ウィンドウマシンというやつか。演奏は脇のハンドルを一生懸命回していた。
雷音器は、どうも大きな鉄板(2×4m?)をつり下げたやつらしい。これを女性奏者が叩いていた。実物には初見参である。かつてデッカの《ラインの黄金》の録音スナップに写っていたやつだな。
オルガンは電子オルガンだったのが残念。本日(11/25)はサントリーホールの公演なので、これは聞きものだろう。