チャイコフスキー節の全開 《エフゲニー・オネーギン》 |
演題はチャイコフスキーの《エフゲニー・オネーギン》
ウクライナ国立歌劇場の引っ越し公演だろう。
確か米原万里さんのエッセイだったか?でウクライナ交響楽団を絶賛していたのが頭に残っていて、チケットは早めに手に入れたのだが。
とにかく、今回の公演については、直前までまったく情報が入らなかった。配役を知ったのも、劇場の入り口で配布されたチラシでようやく知ったような次第である。
またチラシには、タラス・シェフチェンコ記念とあったが、これも説明がない。
演出は特に奇をてらったものではなくオーソドックスなもの。
期待を上回る出来映えで、メランコリックなチャイコ節の全開といった感じで、
素直にオペラを楽しめました。
【配役】
タチヤーナ:テチヤナ・ハニナ
オリガ:チテヤナ・ピミノヴァ
エフゲニー・オネーギン:ヴォリディミル・オペンコ
レンスキー:ドミィトロ・ポポワ
ラーリナ:ナタリア・モイセーエヴァ
指揮:アッラ・クルババ ……かなり若く見えたが、懸命な指揮ぶりに
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
合唱:ウクライナ国立歌劇場オペラ合唱団
バレエ:ウクライナ国立歌劇場バレエ団
演出:モロストワ
主役のタチヤーナ(S)は可憐な精一杯の歌いぶりで好感が持てました。
2幕の長丁場の手紙のモノローグなど大変でした。
もう一方の主役オネーギン(Br)は、どうだったのでしょう。ちょっと魅力を感じませんでしたが。
レンスキー(T)が、いちばん声が出ていましたね。若々しいテノールでした。
合唱陣も好演だったと思います。エネルギーが放射されました。それにオペラグラスでのぞくと若々しいウクライナ美人んが多いのに感心しました。
オケも最初はこんな少人数で何とかなるのか、と思っていたのですが、
アンサンブルとか、繊細さには不満を感じましたが、さすがに馬力で押し切った感がありました。
指揮者は若い(?)女性でした。ややオケのコントロールが不十分でなかったか。金管が野放図に鳴り響く場面が多々ありました。この辺のバランスをとってもらえると。でも一生懸命な丁寧な指揮でしたね。
2幕の決闘の場面とか、もっと緊張感があると。
だけど、3幕の舞踏会のワルツなんか、オハコでもあって、待ってましたの弾きぶりだ。
さすがにバレエのメンバーは軽々と身体能力が高い!舞踏会も冴えました