北とぴあ公演:モンテヴェルディ 歌劇《オルフェーオ》 |
寺神戸亮が出演・指揮するこのシリーズはユニークな公演が続いている。
昨年のハイドンの《月の世界》を覚えている。
このモンテヴェルディのオペラ《オルフェーオ》、初演が1607年で
今年は400年記念にあたるとのこと。
オペラ誕生の場面に居合わせたような、古典的雰囲気の公演を楽しみました。
ストーリーはギリシャ神話からで、おなじみのもの
構成はシンプルであり、管楽器によるプロローグが初めにあって全5幕
幕間がはっきりと意識されているわけでは無いようだ。
アリアにしても、どこかモノローグを思わせる。
感情を爆発させたような、ダイナミックな歌唱があるわけではないし、
ここぞとばかりにオーケストラが鳴り響く場面があるわけでもない。
演出は能の様式を取り入れたとのことである。
抑制された動きとか、床をはうような足の運びに、特徴があるのか。
しかし、もっとシンプルな演出でよかったのでは、というのが感想だ
衣装にしても、和装であるが、華美な趣があり、やはり違和感がある。
ギリシャ演劇風のシンプルな衣装を期待していた
最終場面の、オルフェーオが父アポロに導かれて天国に上って行くくだりには、
能の舞?が登場するのだが、能の様式を理解していない者には、不釣り合い感がぬぐえない
歌い手では、波多野 睦美に抜群の存在感を感じました。
オルフェーオは、第3幕だったか長大なアリアを乗り切った
古楽器が活躍し優美な響き。
トリプル・ハープというのも初見参だ。それに名前は知っていたが、キタローネ(リュートの親分みたいなもの)が2本。
幕間にチェックすると、キタローネにはピックアップが付いていたようで、やはり元来の音量は小さいのでエレキで増幅していたようである。
<出演>
オルフェーオ:ジュリアン・ポッジャー
エウリディーチェ:懸田 奈緒子
女の使者/希望:波多野 睦美
指揮/ヴァイオリン:寺神戸 亮
管弦楽/合唱:レ・ボレアード