藤原歌劇団公演: ヴェルディ《椿姫》 |
藤原歌劇団の公演
豪華な舞台、歌手陣もそろっていたのではないか。完成度が高い
例によって3階席での鑑賞でコストパフォーマンスも抜群
満足度の高い公演であった。
このプロダクションは、ここ数年繰り返し公演され、定番化されているようだ
演出はイタリア人のベッペ・デ・トマージとのことで
1998年に手がけ、その後99年、2000年、04年、06年に再演したとのこと
さすがに手慣れたもの、舞台の流れもスムーズである
舞踏会など大勢が動き回るシーンもそつがない
第2幕のジプシーの踊りのシーンなども本格的である
いかにも付け足しといったおまけ的な印象がない
全体的にオーソドックスな演出との印象を受けた
それに第3幕にはいろいろとアイデアがつまっているようである
両袖に置いたキリストの絵が象徴しているのだろう
ヴィオレッタの最後のシーン。幕を下ろした舞台袖で、
アルフレードも加わってごちゃごちゃ演じるのがどうにも窮屈である
もちろん、その後に幕が一気に全開しヴィオレッタが旅立つ前触れなのだが
改めて、ヴェルディの音楽には少しも余分なものがないな、と感じた
オペラが緊密に組み上げられている。
有名アリアがたっぷりというのもあるが
ヴィオレッタの出口正子(S)さん。独特の高音の響きが魅力的、声量も十分
アルフレードのドミニク・モラレス(T)、やや線が細くなかったか
ほとんど演技らしいものはなかったようだ
ジェルモンの牧野正人(B)さんが一番聞き応えがありましたね
あのアリア「プロバンスの海と陸」をたっぷりと
神奈川フィルのオペラ伴奏は聞いたことがありませんでしたが
破綻はありませんでした。2日目ということもあったのでしょうか
【キャスト】
指揮:大勝秀也
演出:ベッペ・デ・トマージ
ヴィオレッタ:出口正子(S)
アルフレード:ドミニク・モラレス(T)
ジェルモン:牧野正人(B)
合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
バレエ:スターダンサーズ・バレエ団