鎌倉文学館:吉田秀和 企画展「音楽を言葉に」 |
初めて訪れたが、住宅街のなかに、木立に囲まれてひっそりと佇んでいる。
紅葉も良い感じだ。旧前田侯爵家の別邸とのこと。庭に立つと、前方に由比ヶ浜を臨んで絶好のロケーションである。
音楽評論家・吉田秀和氏の企画展「音楽を言葉に」が開かれていた。明日(14日)が最終日とのことで、かろうじて間に合った。
吉田秀和氏は、すでに95歳とのこと。「レコード芸術」の連載とか、朝日新聞の「音楽展望」を楽しみにしているが、まだまだ創作活動は衰えていない。
展示品は丁寧に集められているようで、第1部「現在」、第2部「軌跡」と分かれている。入り口には文化勲章が飾ってありました。
中学校は小樽で過ごしたが、小樽の家でピアノをひく母親の写真は珍しいのでは。
小林秀雄とやりとりした葉書なども。レコードを送ったことへの小林の返信。
興味があったのが、ナマ原稿が展示してあったこと。
もちろん手書きだが、端正な字配りである。清書を何回も繰り返したという。
「何回も推敲を繰り返して、ぴったりした言葉を見つけるのが大好き」との言葉があったはず。
確かに、本人の言うとおり「個人というより、1人の日本人の足跡を見せられたような気がした」